2003年12月20日特別号
スカイマーク社長に筆頭株主の西久保氏内定
「5年目途に累損一掃、売上高500億円目標」
スカイマークエアラインズ(SKY)は12月19日、緊急記者会見を開き、井上雅之社長の退任と筆頭株主の西久保愼一氏の社長就任が内定したと発表した。来年1月28日に開催される定時株主総会後の取締役会で正式に就任する。澤田秀雄会長、井手隆司副会長は留任する。澤田会長によれば、井上氏は社長就任前の社長室長よりも上のポストが用意されるという。
西久保氏はSKYの今後の展開として、2003年10月期末に残る120億円の累積赤字を「5年を目途に解消をめざす」と明らかにした。そのために、同期末決算で225億円だった売上高を近い将来500億円まで伸ばしたいとし、具体的には1日2便から4便に増便した羽田−徳島線を黒字化することを目標の一つに挙げた。
西久保氏「徳島線黒字化めざし撤退せず」明言
羽田−徳島線の利用率は同期平均51%とほぼ5割だが、12月に2便増便して5割を切っている。これを黒字化すれば、羽田−福岡、羽田−鹿児島線とともに全3路線の黒字化が可能となる。西久保次期社長は徳島線は「撤退しないように頑張っていく」と、現時点では青森線のように撤退する考えはないと明言した。
今後の資金調達について西久保氏は、「増資することも考えたが、これまでは売上が少ないのに投資がかさんだ。キャッシュフローも改善しており、これからは売上を上げていけばいい」として、当面は自己資金で賄っていくことを強調、その中で年間1-2機のペースで航空機を導入していくことも可能との見通しを示した。
西久保氏はSKYの2004年10月期以降の単年度黒字化と事業拡大について、「単年度黒字と事業拡大は相反しない。そこに知恵を使って、両方勝ち取る」と述べた。
また、西久保氏は社長就任の最初の仕事として「SKYは定期便の運航に大きな資源を投入し、5年前と比べ機材も5機、売上も5倍に成長した反面、組織、コンピューターシステムが役に立たなくなりかけており、今後の売上増加に耐えうるシステムに充実させる」と述べ、組織を含めた社内システムの見直しに乗り出す方針。
澤田会長、西久保氏のオーナーセンスを評価
SKYの飛躍期待、旅行会社との関係も配慮
澤田会長(HIS社長)は西久保氏のSKY社長内定について、「この2カ月間一緒に仕事をして、西久保氏のオーナーとしての経営センスを見て、筆頭株主ということもあり、社長をお願いした」と述べるとともに、「SKYはこれまで、エアラインビジネスの経験者がトップとして必要だったが、周りをそれらが固め、トップは経営者、オーナーセンスのある者が立つ時期に来た」と、欧米のエアライン同様に業種に関係なく事業家としての経営手腕で、SKYの「舵取り」を西久保氏に任せることを社長内定の理由に挙げた。
また、澤田会長はSKYとHISの今後の関係について、「国際チャーター便の展開などSKYの発展のためにHISは今後も協力していく」と協力関係を強調した上で、債務超過を回避するために「全額HISが増資しても良かったが、SKYは航空会社として公共性が強く、筆頭株主でなくてもいい」と判断、さらに「他の旅行代理店の関係を考えると、SKYが大きく飛躍するためにはHISの子会社である必要はない」と、今後さらに資本関係が変わることも示唆した。
とくに、単年度黒字化を維持しながらも、事業拡大する時には、澤田会長は「市場からの資金調達とともに西久保氏もHISも増資は可能で、次なる大きな飛躍をする」と今後もSKYの企業規模を拡大していく見解を示した。
西久保氏は去る10月6日払い込みのSKYの第三者割当増資で、約30億円を個人出資、HISを抜いてSKYの筆頭株主となった。同氏は1955年7月25日生まれの48歳。大阪府出身。神戸大卒業後、78年大同塗料入社、81年ソード電算機システム(現東芝パソコンシステム入社、85年システム工学社設立、代表取締役、95年シーネット設立、代表取締役、93年インターネット・プロバイダーサービス事業のゼロ株式会社代表取締役、92年同社代表取締役会長。
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